2005年10月31日

【暮らしの相談】
入院した高齢の父に遺言書を書いてもらわないと・・・

 同居中の93歳の父が、以前より気がかりの肝臓癌が急遽悪化し、入院してしまいました。いつ逝くか、分からない状態です。
父は、自宅以外にも不動産を所有しており、預金残高もかなりの金額のようです。
このままでは、最近全然顔を見せなくなった兄弟達が来て、父の遺産の件で揉めそうです。
母も健在ですが、認知症(痴呆症)が進んでおり、兄弟達の仲介については期待できません。
そこで、父に遺言書を書いてもらいたいのですが、意識がしっかりしているわりに、字が思うように書けません。
どうしたらよいでしょうか。

 大変な状況になってきましたね。ご心配なことと思います。
ご質問に対しては、問題を整理して回答させて頂きます。

1.遺言書は遺言者の意思
ご質問者は、お父様に遺言書を書いてもらいたいと希望しているようですが、遺言書はあくまでも遺言者本人の最終意思であるということをご認識下さい。
無理矢理書かせたのでは、形式的に問題が無くとも、後で遺言書の効力自体が問題となり、裁判の結果によっては所期の目的を達することが出来なくなるかもしれません。
必ず遺言者本人の意思を尊重し、意思を確認しながら手続を進めることが肝要です。

2.遺言書の種類
字が思うように書けないので、遺言書を書くことが出来ず困っているとのことですので、ご回答する前に、遺言書の種類について簡単にご説明致します。
死に直面している場合や船等の遭難の場合のような危急時は除いて、通常の場合は、

(1) 自筆証書遺言
(遺言者本人が全ての内容を自筆で記載)

(2) 公正証書遺言
(厳格な手続にしたがって公証人が認証)

(3) 秘密証書遺言
(内容を秘したまま、日付等だけ公証人が認証)

の方式があります。

ご質問者は、(1)を念頭にご相談されていますが、字が書けなくてはまったく無理です。
それではどうしたらいいか。
私としては(2)公正証書遺言をお勧めします。
本人は署名押印のみで、内容を全て記載するなどといった大作業は必要無いうえに法的に無効となる心配もありません。
費用は多少かかりますが、この方式では、相続発生時の家庭裁判所における「検認の申立」の手続(相続人全員を裁判所に呼び出し、遺言者の筆跡等の確認)を省くことが出来ます。

3.相続人・相続財産の確定
遺言書を作成する際には、相続人・相続財産を確定させておく必要があります。
身内のことなんだから相続人ぐらい調べなくとも知っているよ、と依頼者の方に言われますが、遺言者に隠し子がいた、などいうケースはドラマの世界だけではありません。
また、調査する際には、戸籍についての専門的な知識が必要になりますのでご注意下さい。
相続財産について全ては難しくとも、せめて主要な財産だけでも調査確定しておく必要はあります。

4.成年後見制度
ご相談内容からは少し外れますが、お母様の認知症(痴呆症)が進行しているとのこと。
相続時の財産処理の際に問題になるかもしれません。
当面の問題としては医療関係機関等との契約等。
あるいは、悪質な業者との契約の問題もありますので、裁判所に成年後見の申立てをして、後見人を選任してもらってください。

5.専門家の利用
今まで述べてきた手続は、もちろんご自分達で出来る手続ですが、知識・経験においてかなりの専門性を要求される場面も多々あります。
後で後悔しないためにも、行政書士等の専門家にぜひご相談下さい。
きっと皆様のお役に立てるものと確信しております。



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11月20日(日)11:00〜15:00受付
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詳しくは こちらをご覧ください。



神奈川県行政書士会 川崎北支部
posted by 川崎北支部 at 19:38| Comment(0) | TrackBack(0) | 暮らしの相談−Q&A− | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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